ぼくが安曇野ちひろ美術館をつくったわけ
富山県水墨美術館で開催されていた、「いわさきちひろ展」に行ってきました。
初めて行ったのですが、こんなに広くてきれいな美術館だとは知りませんでした。
で。
私が、買ったものは・・・。
いわさきちひろさんの挿絵が入った絵本ではなく・・・。
安曇野ちひろ美術館の館長さんである、松本猛氏による表題の本。
ざっと読みましたが、とても素敵な内容でした。少し引用します。
「美術館の楽しみはカフェにある」
持論を展開する。
「お茶を飲むなら、なにも美術館に行かなくても、喫茶店かレストランでいいじゃないか」
友人が疑問を投げる。
「美術館のカフェは、お茶を飲んだり食事をするだけのところじゃないんだ」
「何をするところだ?」
ぼくはじっと考えてみる。さて、何をするところだろう。ぼく自身、いろんな美術館に行って、カフェでコーヒーを飲んだり、ワインがあればワインを注文することもある。食事だってする。
何か頼まなければ、美術館では座れないからだろうか。いやそうではない。美術館のカフェに足を運ぶには、もっと大切な理由がある。
(36p 絵を見なくてもいい-ワインで思いおこす感動 より)
その答えは、ぜひ本を買って読んでみて下さい。
私も以前、「ふれあい通信」に、「大人の遊び場」というタイトルで、美術館の楽しさを書いたことがあり、思わず「そうそう」と一人うなずきながら読み進めていました。
もちろん私の駄文とは違い、世界各国の美術館での体験を織り交ぜ、洗練された言葉で綴られた文章は、読んでいてわくわくしてきます。
こんな文章にも、筆者の美術館に対する強い思いを感じ取ることができます。
美術館とは何のために存在しているのか--。
「収集、保存、研究、公開」という、専門家があたりまえのように語る美術館の原則は、いったい誰の立場に立ったものなのだろう。運営する側の立場ではなく、美術館を訪れる人の立場で考えるならば、美術館の価値は違うところにあるはずだ。「作品を楽しめる雰囲気と、味のいいカフェがある、ミュージアムショップの品ぞろえがよくて、日常から開放されてのんびりできる」少し視点を変えれば、いわゆる、アカデミックな原則とは趣の違った美術館ができあがる。
(8p 絵を見なくてもいい-昼寝のできる美術館 より)
そうそう、その通り。そういうこと。
・・・なんとなく感じながら、自分では言葉にできなかった気持ちを、理路整然と代弁してくれる心地良さ。
そしてその思いを具現化した「安曇野ちひろ美術館」の、様々なこだわりや楽しさ。
読み終えて、ぜひ行ってみたくなりました。
ところで、話は、水墨美術館に戻って。
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